帰宅拒否症旦那の日々

色々な雑談を中心に、日記を書いていきます。

職場で泣く部下の取扱説明書

人が職場で取り 乱す理由は、個人的なものから仕事上の問題までたくさんある。職場でどれだけ多くの時間を過ごしているかを考えると、人々がときおり職場で感情を抑えられ なくなるのは避けがたいことのように思われる。だが、マネジャーは部下の涙にどのように対処すればよいのだろう。

 感情的な行動に対しては、それが陽気なものだろうと悲観的なものだろうと、多くのマネジャーが戸惑いを感じる。「人々はプロフェッショナルであろうと し、そのためには自分の感情や周囲の人々の感情を無視する必要があると思っている」。こう語るのは、ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの経営組 織論准教授、ジェフリー・サンチェス・バークスだ。彼の調査によると、この姿勢はアメリカのほとんどの職場で規範とされている。だが、この規範を守れる人 はほとんどいない。「われわれは職場の入り口で人間らしさを脱ぎ捨てるわけではない」と、彼は言う。 『It's Always Personal: Emotion in the New Workplace』の著者、アン・クリーマーも同意見だ。「会社に何を着ていくかを決めるとき、ましてや商談をまとめたり重要なプレゼンテーションを 行ったりするときは、必ず感情が関わってくる」と、彼女は言う。泣くことはストレスに対する生物学的反応であり、「感情のリセット・バルブ」なのだ。だか ら、部下の涙を無視するのではなく、きちんと対応しよう。実際の場面で役立つ対応のコツをいくつか紹介する。

 

■社外と同じように振る舞おう

 泣いている部下を前にしたとき、マネジャーがまず抱くのは「力になりたい」という思いのはずだ。職場の外で交流している相手に接するように、その部下に 接しようと、バークスはアドバイスする。「泣いている相手に語りかける言葉と語りかける能力をわれわれはすでに持っている。だが、それを職場で行うにはど うすればよいかは理解していない」と、彼は言う。マネジャーがとる具体的な行動(ティッシュを差し出す、どうしたのかと尋ねる、外の風に当たってくるよう 勧めるなど)は、その部下との人間関係やともに働いてきた年月、それに職場の文化によって決まる。重要なのは、その部下を無視したり批判したりするのでは なく、案じる気持ちを示し、泣きたいだけ泣かせてやることだ。

 涙の理由が明白なように感じられるときでも、それは本当の理由ではないことがある。部下が業績評価の面談ですすり泣きを始めたとしても、実は病気の母親 のことで動揺しているのかもしれない。部下が感情を抑えきれなくなったとき、「事情を聞き出して、君の力になるにはどうすればよいかと尋ねるのはマネ ジャーの責務だ」と、クリーマーは言う。マネジャーは根本的な原因に行き着くような質問を穏やかに発することができなくてはいけない。「どうしたんだね?  」とか、「ほかに何か話したいことはないかい? 」などと問いかけてみよう。「セラピストになる必要はない。いつでも話を聞くよ、という姿勢を示すだけ でよい」と、バークスは言う。同時に、部下との境界線を尊重しよう。彼は上司には打ち明けたくないと思っているかもしれないのだ。だが、気分を害してはな らない。距離を置いて状況を観察したり、その部下と親しい別の部下に、事情を聞き出して力になってやってくれと頼んだりしよう。

 

■なぜ自分の苦労話をすると逆効果なのか

 問題が個人的なものだとわかった場合は、「それは辛いよね」とか「本当に大変だね」といった基本的ないたわりの言葉をかけるにとどめよう。そのうちに何 もかもうまくいくよと言ったり、元気を出せよと言ったりしてはならない。また、自分自身の体験を話したいという衝動を抑えなくてはいけない。「心配事を抱 えている社員が1番聞きたくないのは、上司が自分自身の病気や身近な誰かの病気にどのように対処したかという話だ」と、クリーマーは言う。

 「上司にできる最大の手助けは、部下の話をよく聴いて、彼らが仕事関係の悩みを解決する手助けをすることだ」と、クリーマーは言う。

 職場の問題のせいで泣き出したのだとわかった場合は、その部下と一緒に、さらに必要なら他の部下の協力も得て、その問題の解決に取り組もう。個人的な問 題が原因の場合でも、打開策を考える手助けをすることはできる。「大変だね。君にとって何が1番助けになるか教えてくれないか。実現できるかどうか検討し てみるから」というような言葉をかけるとよいだろう。

 また、具体的な方針を立てるよう心がけよう。その部下の仕事量を一時的に減らすことは可能だろうか。状況を把握し、それがその部下の仕事にどのように影響を及ぼしているかを見きわめるために、定期的な現状報告の場を設けられるだろうか。

■抱え込んではいけないケースは

 マネジャーの手には負えない状況もあるかもしれない。たとえば、精神疾患や薬物乱用などだ。これらの場合を含めて、自分が対処するのが不安な状況のとき は、人事部や従業員支援プログラムの担当者にその部下を引き合わせよう。これは涙を目にしたときのマネジャーの最初の対応であってはならないが、自分の能 力外のことを引き受けるのも、してはならないことだ。

 危機が部下の感情を揺さぶるのを待つのではなく、部下が自分の生活で何が起こっているかを上司に伝える機会を設けておこう。クリーマーが勧めるのは、 「君に影響をおよぼすおそれのある差し迫った問題はないかね。もし何かあるなら、それについて話をして、どうすればよいか一緒に考えようじゃないか」とい うような語りかけをすることだ。これによって部下は、事情を話す許可を与えられる。「社員は助けを求めるのを怖がることが多い。組織にとっての自分の価値 が危うくなると思うからだ」と、彼女は言う。バークスの調査では、部下の様子に関心を払うことで、マネジャーは人間味が増すだけでなく、よりよいリーダー にもなるという結果が出ている。

 

■悲しむ時間を取ることで解決することも

 悲しむ時間をきちんと与えたケースを1つ紹介しよう。ジェシカがボストンの小さなNPOの副理事を務めていたとき、24歳の同僚、エレンが重い病にかかり、3カ月の入院生活の後他界した。

 「彼女は組織の要のような存在だった」と、ジェシカは言う。このNPOでは15人のスタッフが働いていたが、エレンが他界したのは冬休みに入る直前だっ た。ジェシカは冬休みの間に、専務理事と協力してスタッフの立ち直りのための計画を立てた。「この状況についてどう語り合うべきか、スタッフをどのように 支えるべきかについてずいぶん話し合った」と、ジェシカは語る。

 スタッフが職場に戻ってきたとき、ムードは「暗かった」。「誰もがどこかの時点で私の部屋に来て、泣いた」と、ジェシカは語る。だが、彼女は決して涙を止めようとはしなかった。

 彼女は1人1人のスタッフと面談して、悲しみを処理し、前進するための方策を練る手助けをした。「彼らはどうすればいいのかわからず戸惑っていた。仕事 をすべきなのか、すべきでないのか判断しかねていた」と、彼女は語る。ジェシカと専務理事はスタッフに、今できることをしてほしいと言った。彼らは毎朝 ミーティングを開いて、現状を報告し合った。これはスタッフに自分の辛さを表現し、互いの絆を深める機会を与えた。

 ジェシカは組織の活動に支障が出たことは認めるが、それを立ち直りプロセスの一環として受け入れている。「半年以上かかったが、私たちは以前よりはるかに感情的つながりの強い組織になった」と、彼女は語っている。

 

 職場で泣くことを悪く思う人もいるかもしれない、最近の傾向からしてこのようなケースは増えているのではないでしょうか?

 そんな時に、上記のような対応で乗り切れるといいですね。